【「しなやかに極める~美しい人生のつくり方」第一部:大島衣恵さん】
2016年 10月 15日
【「しなやかに極める~美しい人生のつくり方」第一部:大島衣恵さん】
★第一話...「それは20年前から」
★第二話...「いつかは自分で」
★第三話...「点と点が繋がったとき」
★第四話...「同じ景色を見る仲間」
★第五話...「人生を振り返る宿題」
★第六話...「ナビゲーターとして」
喜多流シテ方能楽師:大島衣恵さんによる仕舞「松風」。
秋の季節曲として人気のある「松風」でトークイベントは開演しました。
トークイベント第一部は、喜多流シテ方能楽師:大島衣恵さん。
能楽師になられて18年。
国内外の舞台だけでなく、子どもたちへの能楽指導、テレビのコメンテーターと幅広く活躍されています。
衣恵さんは、喜多流で初めての女性能楽師です。
能楽師として活躍されている土台には、どんな道のりがあったのでしょうか。
その輝きの源にせまりました。
喜多流シテ方職分家に生まれ、物心つく前からお稽古を始められていた衣恵さん。
小さい頃は、子方(子役)として舞台に立つこともありました。
しかし、女性が舞台に立てるのは子方としての小学生の頃まで。
中学生以降は、女性が舞台に立つことは喜多流ではできません。
女性はシテ方として舞台に立つことはできない。
しかし衣恵さんは、それが分かっても能楽の世界から離れたいとは思わなかったと言われました。
能楽師(シテ方)として舞台に立つことが出来なくても、仕舞いや謡を教えることはできる。
何かしら能楽と繋がっていたいと思っていたそうです。
高校卒業後、東京芸術大学に邦楽科で小鼓を選考されたのも、シテ方はできなくても小鼓をすることはできるのでは?と選ばれたそうです。
やりたい事とできない事。
その狭間の中で、自分の「好き」を消すことなく「できる事」をずっと探されていたのかもしれません。
そんな日々が大学卒業後、大きく変わりました。
能楽師(シテ方)としての道が見えてきたのです。
小鼓大倉流:久田舜一郎先生やご実家のお母様、諸先輩方のご助言が衣恵さんの「好き」という気持ちを後押ししてくれたのです。
さまざまなタイミングがピタリと合った瞬間、「できない事」が「できる事」へと変化しました。
諸先輩方へお手紙を綴り、自分の気持ちを伝えていったことで、衣恵さんは条件があるものの、能楽師としてお許しを得たのです。
やりたい事ができる事に。
能楽師として活動を始めた衣恵さん。
それからの道は順調なもの…ではなかったようです。
30代に「迷い、悩みの時期」があったそうです。
求められていること以上を出さなくてはいけないのではないか…
自分を大きく見せないといけないのではないか…
今思えば、それらは自分自身が勝手に決めつけていたこと。
しかし当時は、自分のサイズ以上のアウトプットをしなければいけないと思い込んでいたそうです。
足りないモノを外へ外へと探し続け、迷い悩む日々。
そんな日々を抜け出せたのは、皮肉にも体調を崩したことがきっかけでした。
心と体が繋がっているように、心の迷いが体調に出たのかもしれません。
「このままでは能楽すらできなくなってしまう」
外へ外へと向けていた心の視線を大好きな能楽と自分自身の体調に向き直して。
衣恵さんはじっくりと体調を整えたことで、心の整理もできたそうです。
「今の私のできることでいいのだ」
そう気づかれたと。
今の自分を認める。
今の自分にOKを出す。
これは衣恵さんだけではなく、だれもが人生の中で手にする宿題のように思います。
それからの衣恵さんは、とてもシンプルに純粋に、大好きな能楽に集中されていかれました。
もちろん冷えや睡眠などの体調管理にも気をつけながら。
そんな衣恵さん。
40代に入り、能楽師としての大きな節目が決まりました。
2016年12月23日に開催される「大島久見十三回忌追善能」で「道成寺」を披くことになったのです。
(故大島久見先生は、衣恵さんのお祖父さまです)
「道成寺」は能楽師として大きな大きな節目となる大曲です。
「道成寺」を披いて、やっと一人前と言われることも...
決まったのは2年前。
そう、この2年間、「道成寺」に向けて進んでこられているのです。
どれだけのプレッシャーを感じながらの2年間か…
トークイベントでは終始、サラリと笑顔でお話しをされる衣恵さん。
「好き」だからこそ、苦労や悩みも浄化していけるのだと…
お話を伺いながら、「能楽師になるために生まれてこられた方」としみじみと感じていました。
さて、今回のトークイベント。
ゲストお二人にはサプライズ企画をご用意!
身近な方からのお手紙です。
衣恵さんには、弟さんの大島輝久さんからのお手紙を。
輝久さんからのお手紙には...
しっかり者に見られがちな姉ですが、実は計画性を感じる場面は余りなく、ほとんどその場のノリで動いているように思えること…笑
能楽師として、情熱を持ち続けて、新しい時代の先駆者になってもらいたいと思っていること…
道成寺を披くことにあたり、大きなプレッシャーを乗り越えるには稽古を積むしかないこと…
そして、それだけの注目を浴びる事は一生に一度と思って、楽しんでもらいたいと思っていること…
弟として、同じ能楽師として。
ちょっぴり厳しく、そして優しさがたっぷりと詰まったお手紙をご紹介させて頂きました。
トークイベント第一部:大島衣恵さん。
衣恵さんの輝きの源には、自分の「好き」に目をそらさない正直な気持ちがありました。
能楽師という遠い世界の存在のようでありながらも、衣恵さんの道のりの中での悩みや迷いはどこか私たちにも通じるものも。
能楽が人間の内面、情を表すものであるからこそ…
これからの能楽師:大島衣恵さんのご活躍が楽しみでなりません。
(つづく...次回は第二部)
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by naoyan2005
| 2016-10-15 21:44
| ☆イベントへの思い